釣竿カテゴリの中でテーパーの話をしてしまった後で申し訳ないのですが、簡単に釣竿が完成するまでの流れを説明していきます。
前回までを読んでない方は↓からよろしくお願いします。
釣竿(ロッド)のテーパーってなに?
釣竿設計士の苦悩①
①釣竿ができるまで
まずはブランクです。
1,シート状になった材料(カーボン、グラス等)を指定の形にカットします。
2,マンドレルと呼ばれるテーパーになった鉄製の棒に①でカットした材料を巻きつけます。
3,材料を密着させるために②の上からセロハンのテープを巻きつけます。
4,温度、時間を指定したオーブンで焼いた後、マンドレルを抜き、セロハンのテープをそぎ取ります。
これでブランクは完成です。
もちろん継ぎのある釣竿なら、そこからセンターレス研磨という接合部分の調整作業があったり、研磨作業や塗装、ロゴ印刷も必要になってきます。
その後はリールシートやグリップ等のハンドル部分のパーツを取り付け、ガイドをスレッドで巻いてコーティング、最後にエンドキャップ等を取り付け検品し完成品になります。
②現場主義ってなに?
私はセンターレス研磨以外の作業は一応すべて出来ましたので設計開発といってもデスクワークだけでなく、実際に制作現場の片隅で作業することが多々ありました。
よく釣具業界で現場主義とか言うと、机上だけでなく釣り場みたいな話になると思うんですが、私の場合、机上と釣り場に工場を加えた3つが実際の開発現場になっておりました。
確かに机上だけでもいけないと思うんですが、当然釣り場だけでも釣竿は作れない。
さらに実際に制作する工場を理解することで、様々な工程を考えることができるようになります。
ではなぜ工程を考えなければいけないのか。
次に工程を考えると何がいいのか説明していきます。
③釣竿の制作工程を考えるどうなる?
釣竿の作り方は前途した通りでどれもおおまかには変わりませんが、設計によっては例外が出てきます。
例外が出ると最悪の場合、設計を見直す必要がでてきますし、制作の難易度が上がる、工程が増えるってなると、当然工賃が余分にかかります。
そこでブランクを制作する工程、完成品にする組み立ての工程、どちらも工場目線で考えます。
当然工場優先の設計変更はしませんし、あくまでも工程を考えます。
より速く、より楽に、より正確確実に、作れる方法や環境を考え、整えます。
そうすることによって難易度を下げ、工程を減らすことが出来、それが最終的には工賃を下げることに繋がっていきます。
工賃を下げることで変わる価格なんて言っても正直微々たるものですが、どんな釣竿もこうやって作られております。
④でも結局はさ
完成した釣竿の苦労話なんてユーザーには関係のない話ですよね。