マンドレルの大切さ

マンドレルとは

ブランクを設計していく中で素材の選定も大事ですが、それよりも重要にしている要素かもしれません。

それがマンドレルです。

ご存知の方も多いと思われますが、マンドレルとはカーボン等のシート状の素材を巻きつける棒の事です。

巻きつける回数を積層回数(プライ数)と呼びます。

釣竿の良し悪しはほぼブランクの出来で決まると信じておりますが、そしてそのブランクの出来はマンドレルに大きく影響されます。

マンドレルの何に影響されるのか

「ブランクの出来はマンドレルに大きく影響されます」と言いましたが、マンドレルの何に影響されるのか。

マンドレルの外径のとそのテーパーです。

テーパーの話はこちらから↓

釣竿(ロッド)のテーパーってなに?

マンドレルの外径はブランクの内径の事で、そのテーパーはブランクの内径のテーパーとなります。

ブランクの内径と言えばブランクの出来に影響するというのも頷けるかと思います。

ブランクの内径がカタログ等に記載されているのを見たことはありませんが、継ぎのある釣竿ならその部分を測ることで分かることもあります。

でもほとんどの人が気にしない部分だと思います。

マンドレルのテーパー

マンドレルの外径は同じ角度(割合=テーパー)で太くなったり細くなったりするものでもありません。

もちろん同角度のものもありますが、途中で緩やかになったり急になったりするものもあります。

ですからマンドレルのテーパーを見る時に、単純にマンドレルの先径と元径の数値だけで判断はできません。

段のあるマンドレルは釣竿の調子を変化させやすくなります。

この場合は穂先(ティップ)部分と元(バット)部分の差をより出しやすくなります。

釣りの種類によってはこういうマンドレルが必要になってくる時があります。

メリットがあるということはデメリットもあります。

段の部分で折れやすくなります。

簡単に言えばその部分で肉厚が大きく変化するからです。

製造上のデメリットもあります。

同角度でテーパーしていくマンドレルを平らな場所においた時マンドレルはその場所にきちんと接してくれます。

それが段になったマンドレルだと平らな場所に接さない箇所が出てきます。

マンドレルに素材を巻きつけるローリングマシーンの挟み回す部分は通常平らですから、どうしてもその接さない部分で不良が出やすくなります。

もちろんそれに合わせた製造方法がありますが工賃に響く場合もあります。

マンドレルの設計

マンドレルの設計も釣竿設計士の仕事です。

通常釣竿は中が空洞(チューブラー)になっていますが、まれに中が詰まった釣竿があります。

ソリッドと呼ばれる種類のものです。

釣竿として見ると、穂先だけソリッドのもの、元だけソリッドのもの、全体がソリッドのもの、等がありますが、このソリッドの設計とマンドレルの設計は同じ理論で外径を調整していくことで設計していきます。

マンドレルのテーパーとブランクのテーパー

マンドレルは釣竿としての調子に大きな影響を与えますが、マンドレルのテーパーとブランクのテーパーは必ずしも一致しません。

なぜかは図で説明します。

すべて同じマンドレルを使用しておりますが、積層回数、肉厚がそれぞれ違い、それに伴ってブランクのテーパーも変化していくのが分かると思います。

継ぎのある釣竿はこういうパターンになる事もあります。

マンドレルのテーパーとブランクのバランス

マンドレルはブランクのバランスに大きな影響を与えます。

なぜかは図で説明します。

積層回数は同じままマンドレルの先端部のみを太くしました。

この時、バランスが取れた時の支点の位置がより竿尻に近づくのは上の方になります。

釣竿は当然竿尻に近い部分を握って使いますので、手元にバランスの支点が近づき、持った時に軽く感じるとも言い換えられます。

マンドレルのテーパーとブランクの調子

マンドレルはブランクの調子にも大きな影響を与えます。

なぜかは図で説明します。

積層回数は同じままマンドレルの先端部のみを太くしました。

この時、より先調子なのは上の方になります。

マンドレルが重要な理由

マンドレルが無いと釣竿を作ることが出来ないため、マンドレルを先に設計する、もしくは選定する必要があります。

そして目的に合わせてブランクを設計していく中で、素材で調整出来ない場合が出てくる時があります。

釣りの種類によってブランクの設計の常識みたいなのが自分の中でありますから、調子やバランス等の調整の為に積層回数を増やすと、必要以上の肉厚になるような時です。

必要以上の強度が釣竿の調子からみて良い方向になる場合もありますが、目的やコンセプトに合わせた設計というのがやはり基本だと思います。

反対に肉厚不足なってしまう為にこれ以上積層回数を減らせない時もあります。

しかしながらマンドレルを作るということは余分なコストがかかるということにも繋がります。

コストがかかるのでこのまま勧めていくのか、代わりのマンドレルを選定し直すのか、コストをかけてでもマンドレルを新規に作るのかは、釣竿設計士次第になると思いますが、その時の様々な状況からより良い判断をしなければいけません。

そして過去の記事で何度も説明してきた通り、マンドレルを含めた様々な要素を総合的に考えていくこともまた重要なのです。

最後に

マンドレルとブランクの関係の説明をしてきましたがこれがすべてではありません。

大事な事が抜けていると思います。

機会があればいつか説明したいなと思います。

ぱおログの管理人「ぱお」です。 元釣具メーカー勤務で、主に釣り竿(ロッド)の設計と開発に携わっておりました。 自社ブランドはもちろんOEMで様々なブランドの竿も設計してきた経験を活かして釣り人の皆さんに役立つ情報を発信していけるようなブログを目指しております。

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