前回「釣竿が折れる原理」を説明しました。
まだの方は↓
釣竿・ロッドが折れる本当の理由 その①(原理編)
上記のリンクで説明した「釣竿が折れる原理」を理解した上で、釣竿の折れる原因についての説明をしていきます。
今回も製品不良等の説明のつかない事は省きます。
荷重
まず基本的な事ですが、釣竿においてブランクの肉厚、外径、内径がテーパー状という基本があります。
マンドレルの大切さ
釣竿(ロッド)のテーパーってなに?
魚を釣るという目的を達成するために様々な理由からテーパー状になっておりますが、強度面でもそのテーパー状が意味をなします。
テーパーが付くことによって、負荷が掛かる箇所を分散させられます。
下の図は、ブランクを一定角度で固定し、負荷する荷重を増やしていった時のイメージです。
最大のたわみが出る頂点の位置が手元に移動していくのがイメージ出来るかと思います。
✕印の事です。
この頂点こそがその荷重の値の時に、最もブランクが変形する箇所であり、最も力がかかる箇所になります。
負荷される荷重の値によっては直接それが釣竿の折れる原因にもなります。
角度
釣り人、アングラーの実釣中の動作内において竿を立てる、寝かせるといった当たり前の動作があります。
この動作は力のかかる箇所を変えているとも言えます。
その動作をまた図にしました。一定の荷重を負荷し、ブランクを保持する角度を変えた時のイメージです。
最大のたわみが出る頂点がブランクを保持する角度によって移動していくのがイメージ出来るでしょうか。
この場合、先程と違い負荷する荷重を変えていませんが、釣竿の保持する角度だけを変えても、たわみの頂点の位置は変化していきます。
分かりやすく言えば竿を立てるとたわみの頂点が前(先)に、寝かせればより後ろ(元)に移動します。
先程、たわみの頂点に最も力がかかると説明しました。
釣竿の基本的な構造を考えた時に、竿先より元側の方に強度があることは明白ですが、釣竿の保持する角度の変化し、たわみの頂点が移動することによって、結果的に破断するか、しないかの違いが出てくる可能性もあるということです。
もっと簡単に言うなら
竿を立てると負荷を竿の弱い部分で受け止め、寝かせると負荷を竿の強い部分で受け止められることになります。
負荷される荷重によって度合いは変化はしますが、釣竿の立てすぎも折れの原因になります。
まとめ
ここまでで釣竿の折れる原因を2つ説明しましたが、荷重と角度はどちらか片方だけで語ることは出来ません。その両方が組み合わさって折れの原因になります。
釣り人、アングラーは魚の動きに合わせて、竿を立てる、寝かせる。魚の動きに耐える、耐えない、といった動作と判断をしますが、経験や感覚的な勘に頼る事が多いと思います。しかし、その中に釣竿が折れる原因が含まれる可能性があるという事を理屈で考えてもらえたら、悲しい結末は減るかなあと思います。
本当は折れた場所から判断する原因等も説明しようと思いましたが、まだまとまっておりませんので、後日書きたいと思います。
最後までありがとうございました。またよろしくお願いします。