時代遅れ?グラス素材の釣り竿・ロッドを知ろう

グラス素材

釣竿、ロッドを作るうえで最もポピュラーな素材がカーボンである事は説明不要なぐらい普及していると思われますが、カーボン素材の次に思いつくであろうグラス素材について書いていこうと思います。

グラスロッドの特徴

グラスロッドの特徴は弾性が低い事でもおこる「たわみ」です。

なんやかんや小難しく言われておりますがこれが全てだと思います。

グラス素材の強度

強度面は設計や作りで異なるので上手く言えない部分もあるのですが、単純に強度と言ってしまえばカーボン素材の方が強いという意見が一般的です。

竿の強度を語る時にこの素材だから強い、弱いというのを決めつけたい気持ちも理解出来なくもないのですが、設計士の立場からだとその考え方は危険だと言わざるを得ないものだと思いますので、注意が必要です。

釣竿の素材として

グラス素材の弾性が低い事、つまりたわみやすい事が欠点とされ、よりハイテクなカーボン素材が開発されるのですが、釣り竿の世界ではこのたわみを利点として再び脚光を浴びるパターンも多々あります。

竿がたわみやすく戻りのスピードが遅い事を活かしたキャスティングでピンスポットを狙うバスのトップウォーターゲームや、たわみを利用し魚により違和感を与えないような調子で釣り糸を張り続けてアタリを待つような舟釣り等にも向いているとされています。

正直このたわみが魚にとってどれだけの違和感を拭うものなのかは残念ながら分かりません。魚が捕食するシーンを動画で見ることもあるのですが、結論なんかでるわけもなく、あくまでの釣り人が実釣の中で感じたイメージから、いわゆる食い込みの良さとしてグラスロッドの価値を見出しているのではないかと思われます。

グラスロッドの設計

グラスロッドの特徴としてたわみと説明しましたが、そのたわみやすい特徴が弱点として考えられ、カーボンロッドが主流になってきた経緯からも、たわみを活かしながらも、たわみとしてマイナスな要素を打ち消すような設計が必要になってきます。

つまり簡単にいってしまえば、食い込ませる、魚に違和感を与えない為のたわみが必要になってくる反面、キャスティングや魚を寄せる為に必要な剛性を得る必要が出てくる。ということです。

剛性を得るために、マンドレルの径を太くする、あるいはカーボンを複合させる(コンポジット)等の設計が必要になってくるのですが、マンドレルの径を太くすると、ある部分での曲がりのrが小さくなることは間違いなく、それが破断の原因になる事は以前説明しました。

釣竿・ロッドが折れる本当の理由 その①(原理編)

しかし、グラス素材の特徴のひとつとして素材の伸びがあり、これが竿の破断を防いでいるのではと思っております。

グラスロッドの注意点

グラス繊維はカーボン繊維に比べて水分や熱に弱いという性質があります。

水辺で使う製品として心配されるかもしれないですが、通常の釣りにおいて心配するようなレベルではありません。

しかし釣りとは関係のない部分で、真夏の車内に長時間放置したり、長時間水没させたりすれば、破損まではいかなくとも変形や弾性率の低下はカーボンロッドに比べ起こりやすいので注意が必要です。

グラスロッドの好きなところ

個人的に好きな部分なのですが、グラス素材は透過性の素材です。

透ける素材ということでカラーリングで個性を出しやすくなります。

カーボン素材には不可能な芸当ですが、特に日本人には受け入れられにくいのでしょうか、それを活かしたロッドはあまり見かけません。

まとめ

グラス素材にもカーボン素材同様にたくさんの種類があります。

t数至上主義に物申す

◯グラスとか、聞いた事がある人もいるでしょう。

しかし、カーボンの弾性率の話と同様、◯グラスだから何と中途半端に説明することは、釣り人、つまりユーザーのミスリードを誘う事につながりますので控えさせていただきます。

久しぶりの更新になりましたが、あまり深い事を言えませんで申し訳ありませんでした。

もう少し更新頻度を上げていこう!

それでは。

ぱおログの管理人「ぱお」です。 元釣具メーカー勤務で、主に釣り竿(ロッド)の設計と開発に携わっておりました。 自社ブランドはもちろんOEMで様々なブランドの竿も設計してきた経験を活かして釣り人の皆さんに役立つ情報を発信していけるようなブログを目指しております。

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